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日本政策金融公庫は税理士の紹介状で通過率が上がる!?その理由とは


日本政策金融公庫の創業融資は、事業を始める際に心強い資金調達の手段です。

しかし、融資を希望する多くの人が審査に通らず、資金計画の見直しを余儀なくされるケースも少なくありません。

そんな中で、税理士からの「紹介状」が融資審査の通過率を高める大きな鍵になると言われています。


本記事では、税理士の紹介状がどのように審査に影響を与えるのか、その理由やメリットについて詳しく解説します。

また、紹介状を活用する際の注意点なども併せてお伝えします!



目次




1.日本政策金融公庫の創業融資とは?

日本政策金融公庫は、中小企業や個人事業主を対象に、低金利で融資を行う政府の公的機関です。

特に、事業を始める際に利用する「創業融資」は、多くの起業家が利用しています。


この融資は担保や保証人が不要で、事業計画書をもとに審査されるため、自己資金が少ない方や資金調達に不安を抱える方にとって非常に魅力的です。


特に、日本政策金融公庫の「新規開業融資」の制度は、新たに事業を始める方や事業開始後間もない方にとって非常に魅力的な支援となっています。



2.日本政策金融公庫の融資制度には何がある?


日本政策金融公庫には、あらゆる資金のお悩みに合わせた融資制度が提供されています。

その中でも創業時に利用したい制度が、日本政策金融公庫の「新規開業資金」です。


新規開業資金制度は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方を対象に、設備資金や運転資金を支援する融資制度です。

融資限度額は7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)で、返済期間も場合によっては10~20年以内と長期で設定されています。

また、新たに事業を始める方又は事業開始後、税務申告を2期終えていない方は、無担保・無保証人で利用できます。


このような新規開業資金を受けるためには、当然ながら融資審査を通過する必要があります。

金融機関は主に次のような角度から申請者の事業計画や信頼性を審査し、融資の可否を決定します。


  • 事業計画の実現可能性

  • 市場性、競争力

  • 資金計画の妥当性

  • 経営者の資質、経験 ・返済能力


以上の点を十分に準備した上で、説得力のある事業計画書の作成や、資金繰りを明確にすることが重要です。


しかし、業務を行いながら、資料を用意したりすることはとても大変ですよね。

そこで税の専門家である税理士に融資を受けるためのサポートを依頼することも有効です。

そして、その際の税理士からの紹介状がその効果をさらに高めることができます。


3.税理士の紹介状が融資審査に有利な理由


税理士の紹介状は、融資審査に置いて非常に有効な武器となります。

財務や会計の専門家である税理士の紹介状は、申請者の事業計画や財務状況に対する客観的な評価として機能するからです。


以下に税理士の紹介状が融資の審査に有利な理由をいくつかご紹介していきます!


事業計画の信頼性向上


税理士は、紹介状を発行する前に申請者の事業計画を細かくチェックします。

その過程で、事業計画の実現可能性や財務計画の妥当性などを専門的な視点から評価します。

そのため、税理士の紹介状が付いているということは、その事業計画が専門家のチェックを通過したことを意味し、計画の信頼性を高めることにつながります。


客観的な第三者評価


金融機関にとって、申請者自身が作成した事業計画だけでは、その信頼性を判断するのが難しい場合があります。

しかし、税理士という第三者の専門家が評価を行うことで、金融機関は申請者の事業計画をより信頼性の高いものとして審査することができます。


財務面でのサポート体制の証明


税理士の紹介状があることは、単に事業計画の評価だけでなく、今後の事業運営においても専門家のサポートを受けられる体制が整っていることを示します。

創業後の適切な税務処理や財務管理は事業の安定性に直結するため、このような体制が整っていることは金融機関にとっても大きな安心材料となります。


税理士が日本政策金融公庫との信頼関係を構築している


税理士の中には、日本政策金融公庫と長年にわたる取引実績がある方も多く、審査のポイントや提出書類の重要性について熟知しています。

このため、税理士の紹介状が付いていることで、公庫側も「しっかりとした準備がされている」と判断しやすくなります。



4.税理士からの紹介状の内容のポイント

税理士の紹介状を効果的に利用するためには、その内容についていくつかのポイントを押さえる必要があります。

以下で紹介状の内容の主なポイントをお伝えします。


事業計画の詳細な分析


紹介状には、申請者の事業計画について詳細な分析結果を記載する必要があります。

市場分析、競合他社との比較、財務計画の妥当性など、様々な角度から事業計画を評価し、その結果を具体的に記述することが重要です。


申請者の資質や経験の評価


経営者としての資質や関連する業界での経験など、申請者個人に関する評価も重要なポイントです。

特に、その事業を成功させるために必要なスキルや知識を持っているかどうかを客観的に評価し、記載することが求められます。


財務面でのサポート体制の説明


税理士として、今後どのようなサポートをしてくれるかも記載すると良いでしょう。

例えば、定期的な財務チェックや税務相談の実施など、継続的なサポート体制について明確に説明することが重要です。


返済能力の評価


事業計画に基づいて、借入金の返済能力について客観的な評価を行います。

キャッシュフロー計画や利益計画を詳細に分析し、返済が可能であると判断した根拠を明確に示すことが求められます。


推薦理由の明確な記載


最後に、なぜこの申請者を推薦するのか、その理由を記載します。

事業の将来性や申請者の資質など、総合的な評価に基づいて、説得力のある推薦理由を述べることが重要です。


これらの内容を網羅することによって、審査担当者に向けて、計画的な融資申請であることをさらにアピールすることができます。



5.税理士の紹介状以外の審査対策


税理士の紹介状は非常に有効な手段ですが、それだけで融資審査が通るわけではありません。

そこで次に、税理士の紹介状以外の審査対策をいくつか紹介していきます。


綿密な事業計画書の作成


融資審査の基本となるのは、やはり事業計画書です。

市場分析、競合分析、マーケティング戦略、財務計画など、すべての要素を綿密に検討し、説得力のある事業計画書を作成することが重要です。


自己資金の確保


創業融資は、基本的に一定の自己資金が必要となります。

できる限り多くの自己資金を用意することで、金融機関に対して事業への本気度をアピールすることができます。


経験・スキルの証明


新規開業資金の前身である新創業融資制度では、これから行おうとする事業に関する事業経験を持っている条件があるほど、経験や職歴は非常に重要な審査材料となります。

これから始めようとする事業に関する経験が全くなかったり、スキル乏しいと、審査に通らない可能性が高まります。


市場調査の実施


ターゲット市場の規模や成長性、競合状況などについて、詳細な市場調査を行い、その結果を事業計画に反映させることが重要です。


試作品や実績の提示


可能であれば、製品やサービスの試作品を用意したり、小規模でも実績を作っておくことで、事業の実現可能性をより具体的に示すことができます。


6.日本政策金融公庫の融資審査の特徴


日本政策金融公庫の融資審査には、一般の金融機関とは異なる特徴があります。

これらの特徴を理解した上で対策を立てることで、審査通過の可能性を高めることができます。


政策目的との整合性


日本政策金融公庫の融資審査では、政策目的との整合性も重要視されます。

例えば、地域経済の活性化や新技術の開発など、政策目的に沿った事業計画であることをアピールすることが重要になります。


事業の社会性・公共性


純粋な営利目的だけでなく、社会貢献や地域貢献などの要素も評価の対象となります。

事業計画の中で、これらの要素をどのように実現していくかを明確に示すことが求められます。


長期的な視点


日本政策金融公庫は、短期的な収益性だけでなく長期的な事業の持続可能性も重視します。

そのため事業計画においても、5年、10年先を見据えた長期的なビジョンを示すことが重要です。


経営者の資質重視


財務面だけでなく経営者としての資質や熱意も重要な評価ポイントとなります。

面談時には事業に対する熱意や経営理念をしっかりと伝えることが大切です。


柔軟な返済条件


日本政策金融公庫は、事業の特性に応じて柔軟な返済条件を設定することが可能です。

例えば据置期間を設けたり、季節変動に応じた返済額の調整を行うなど、事業の実情に合わせた返済計画を提案することができます。


7.税理士の紹介状活用のメリットとデメリット


税理士の紹介状を活用することには様々なメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。

次にメリットとデメリットを考えていきましょう。


税理士の紹介状活用のメリット


審査通過率の向上


税理士という専門家の評価が加わることで、事業計画の信頼性が高まり、審査通過の可能性が向上します。


事業計画の改善


税理士のチェックを受けることで、事業計画の弱点を発見し、改善することができます。


財務面でのサポート体制の構築


税理士との関係構築により、創業後も継続的な財務サポートを受けられる体制を整えることができます。


客観的な評価の獲得


自己評価だけでなく、第三者の専門家による客観的な評価を得ることができます。


金融機関との信頼関係構築


税理士という専門家を介することで、金融機関との信頼関係をより強固なものにすることができます。


税理士の紹介状活用のデメリット


コストの発生


税理士への相談や紹介状の作成には、一定のコストが発生します。


時間の必要性


税理士との相談や事業計画のチェックには時間がかかるため、融資申請までの準備期間が長くなる可能性があります。


事業計画の修正の要求


税理士のチェックにより、大幅な事業計画の修正が必要となる場合があります。


期待過剰のリスク


税理士の紹介状があれば必ず融資が通るわけではないため、過度の期待は禁物です。


税理士との相性


相性の合わない税理士に依頼した場合、適切なアドバイスや評価が得られない可能性があります。


これらのメリットとデメリットを十分に理解した上で、自身の状況に応じて税理士にサポートを依頼したり、公庫への紹介状を活用するかどうかを判断することが重要です。


8.税理士選びのポイント


税理士の紹介状を活用する際には、自分自身や事業に合った適切な税理士を選ぶことが非常に重要です。

以下に税理士選びのポイントをいくつか挙げてみましょう。


創業融資の経験


日本政策金融公庫の融資に関する経験が豊富な税理士を選ぶことが重要です。

融資審査のポイントや、効果的な創業計画書などの書き方を熟知している税理士であれば、より高い確率で審査通過につながる可能性があります。


起業しようとしている業界の知識


できれば、あなたが起業しようとしている業界に詳しい税理士を選ぶことをおすすめします。

業界特有の課題や財務状況を理解している税理士であれば、より的確なアドバイスや評価を行うことができます。


コミュニケーション能力


税理士との相談や事業計画のチェックには、密なコミュニケーションが必要となります。

あなたの考えをよく理解し、適切なアドバイスを分かりやすく説明できる税理士を選ぶことが大切です。


継続的なサポート体制


紹介状の作成だけでなく、創業後も継続的にサポートしてくれる税理士を選ぶことが理想的です。

特に創業初期は、様々な財務・税務の課題に直面することが多いため、気軽に相談できる関係性を築けるかどうかも重要なポイントです。


税理士に支払う報酬などのコスト面


税理士への相談や依頼には当然費用がかかります。

しかし、単に安ければよいというわけではありません。

提供されるサービスの内容と費用のバランスを考慮し、適切な税理士を選ぶことが大切です。


評判・口コミ


可能であれば、その税理士の評判や口コミを調べてみることをおすすめします。

過去に同じように創業融資を受けた人の体験談などは、税理士選びの参考になるでしょう。



9.税理士以外に相談できる専門家は?


税理士の紹介状は非常に有効ですが、税理士以外の専門家の力を借りることも、融資審査の通過率を上げるのに役立ちます。

次に、税理士以外で力を貸してくれる専門家について見ていきましょう。


公認会計士


財務計画の作成や資金繰り計画の立案など、より専門的な財務面でのサポートが必要な場合は、公認会計士の力を借りるのも一つの選択肢です。

特に、大規模な資金調達を行う場合や、複雑な財務構造を持つ事業の場合は、公認会計士のアドバイスが有効です。


当所では税理士の他にも公認会計士が在籍しておりますので、公認会計士としての面からも皆様をサポートすることができますよ!


中小企業診断士


中小企業診断士は、経営コンサルタントとしての役割を持つ国家資格保有者です。

事業計画の策定から経営戦略の立案まで、幅広い分野でのアドバイスを受けることができます。

特に、市場分析や競合分析など、事業の実現可能性を高める上で重要な部分をサポートしてくれます。


弁護士


事業に関連する法的リスクの評価や、各種契約書の作成など、法務面でのサポートが必要な場合は弁護士に相談するのがよいでしょう。

特に、新しいビジネスモデルや、規制の多い業界で事業を始める場合は、法的な観点からのチェックが重要です。


社会保険労務士


従業員を雇用する予定がある場合、労務管理や社会保険に関する専門家である社会保険労務士のアドバイスが役立ちます。

適切な労務管理体制の構築は、事業の安定的な運営に不可欠です。


経営コンサルタント


特定の業界に特化したコンサルタントや、起業支援を専門とするコンサルタントなど、様々な経営コンサルタントが存在します。

事業計画全体の策定や、経営戦略の立案など、幅広い分野でのサポートを受けることができます。


これらの専門家を適切に活用することで、より強固な事業計画を作成し、融資審査の通過率を高めることができるでしょう。

ただし、複数の専門家に相談する場合は、それぞれの役割分担を明確にし、効率的に進めることが重要です。


10.まとめ


日本政策金融公庫の創業融資は、事業のスタートを支える重要な資金調達手段です。


その審査をより有利に進めるためには、税理士の紹介状の活用が非常に有効です。

信頼性の向上、書類の完成度の向上、さらには審査時間の短縮といったメリットがあります。

一方で、適切な税理士を選び、正確な情報を提供することが成功の鍵です。


これから融資を検討している方は、ぜひ税理士などへの専門家への相談を視野に入れてみてください!


熊本創業融資相談室を運営している税理士法人ストラテジーでは、皆様からのご相談を無料でお受けしております。

もし創業融資に関してお困り事等ありましたら、お気軽にご相談くださいませ!



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